蔵人尚子の奮闘記

伝統受け継ぐ蔵元の長女として酒造りの世界に飛び込みました。蔵人見習い3年目、旨い酒を醸すべく奮闘中!

2007.10.16(Tue)

仕込計画

仕込計画って本当は社長と杜氏とで話し合って決めるものなのかも知れませんが、
何でもやりたがりの私は、去年からそんな大それたことにまで首をつっこんでいます。

やっぱり自分が造ったお酒は一番いい表情をしている時に
お客様のもとへお届けしたいのです。
そうやって考えると、この春〜夏に東京市場を営業で回り、
このタイミングでこのお酒を出したいな!!!とか、
今まで長期熟成で出していたお酒のサイクルをできるだけ短くしていきたいなとか、
都会市場と田舎市場で求められる酒の違いとか、
頭の中でこの先一年間のお酒の出荷をシュミレーションしてみるのです。

うちの蔵の場合、どうも後熟タイプのお酒が多く、
これまでも1〜2年の熟成期間をおいて出荷をしてきています。
その方が本領発揮しているような気がするし、
新酒の時には感じられない穏やかさや豊かさを感じることができ、
だからこそついてくださっているお客様がたくさんいることに感謝しております。

ただ、本来は冬にしぼったお酒は春〜夏は大々的に出荷をせず、
秋に熟成してまとまってきてから出荷するものであると思うのですが、
現在の日本酒市場を見ると、新酒から無ろ過生で出荷してきており、
その流れに乗れないと、日本酒の市場から追い出されてしまうような気さえ感じるのです。

だからと言って焦っているわけではありませんが、
でもでもでも、その時期に待っていてくださるお客様、
期待してくださっているお客様に出会うことができ、
やっぱりその期待に応えたいな〜という気持ちが大きいのです。

酒造りなんて、私がいくら偉そうなことを言っていても、
私一人でできることではないし、杜氏や頭の経験が絶対的に必要なのですが、
求められる時に求められるものを出していけるのは、
私の仕事なのかな〜というより、私がやりたい仕事なのです。

新酒で出し始めたお酒は、時が経つにつれて様々な表情に変化します。
まだまだ日本酒はいつ飲んでも同じって思われているかもしれません。
季節による変化でも様々な表情が見え隠れすることを、
一人でも多くの方に実際に味わっていただき、
更なる日本酒のおもしろさを発見していただければいいなと思いますね。

あ、仕込計画の話から随分とずれてしまいました(^^ゞ

まだまだうちの蔵の課題は山ほどあって、
仕込量とか仕込みの種類とか、見直さなくてはならないことがたくさんです。
これまで通りのやり方で、これまでと同じことを繰り返していけば、
蔵の中での仕事には慣れていく一方で楽ではあります。

でも、それでは何も変わらず、何も進歩できない。
多少の手間や作業の変化、いつも通りじゃない様々なことは、
いいものを目指していく為であれば、労を惜しむべきものではありません。

いきなり帰ってきた小娘が何も分からずに乱しているって思われがちですが、
いきなり帰ってきたからこそ見える何かってたくさんあると思います。
私はこの2年間で感じたことが、今後の蔵の運命に大きく関与することだと思っています。
不安になりながらも、自分の判断を信じることができなければ、
私の気持ちと一緒に蔵も揺らいでしまうのでしょう。



◇◇◇掃除したての麹室の床で大の字になって寝転がってみました◇◇◇
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  1. 2007/10/16(火) 21:45:36|
  2. sake|
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2007.10.16(Tue)

シビアなネタで・・・

皆さん、賛否両論様々なご意見をいただきましてありがとうございました。
たぶん、話しても話しても解決策は見つけにくい話題かもしれません。
少なくとも日本酒は戦前戦後を通して残念な歴史を歩んでしまったことは、
もう変えることのできない事実ですし、
その事実が日本酒の低迷に繋がってしまっているのも事実だと思います。

でもこうして造り手と消費者の方と、それぞれが思うことを話し、
新しい見解に気づき、また自分の考えが確立していくんですよね。
私はそれでいい気がします。
その中で私は純米酒を造っていくまでのことだと思います。
本当に、皆さんのご意見は嬉しかったですね!!!ありがとうございます。

さて、昨日から麹室の掃除を始めました。遅いじゃん!なんて言わないでくださいね(^^ゞ
壁から床から全部拭き掃除をしていくのですが、
昨日の午後で一部屋は終わるかと思ったのに、半分しか終わりませんでした…。
実はちょっと焦る焦るで。

でも酒造りって掃除が基本なんですよね。
造りの期間中でも、私の仕事は何かしら掃除をしたり洗ったりと言うことばかりです。
たまに、この布昨日も洗ったのに…なんて思ったりもしますが、
そうやって道具を綺麗に保つことが何よりも大切な酒造りの本質だと思います。

久しぶりに長時間麹室の中にいました。
壁一面杉板で覆われていて、すごくホッとする空間です。
ここに米が入っているともっともっとホッとする空間になるのです。
夜とか麹の様子を見ながら何時間でもいられますね。

たくさんの麹菌たちが頑張って生きようとする様子が手に取るように分かるのです。
引き込み後、米粒に菌糸が伸び始める頃耳を当ててみると、
『ぷちぷち』と菌糸が伸びていく音がするのです。…聞こえる気がするのです。
杜氏からも音はさすがにしないぞって言われるけれど、
胞子をまいた直後でも菌糸が食い込みきった後でもその音がしないんですよね。
だから、絶対に聞こえるんです。

今年はどんなことを感じながら酒造りができるのか、わくわくします!!!
  1. 2007/10/16(火) 09:25:32|
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