蔵人尚子の奮闘記

伝統受け継ぐ蔵元の長女として酒造りの世界に飛び込みました。蔵人見習い3年目、旨い酒を醸すべく奮闘中!

2008.02.25(Mon)

酒本位?お客様本位??

酒蔵のありかたとして、私が思うこと。

それは、酒本位であること。

その意味というのは、『うちの酒がまずいと思うなら飲むな!!!』と言うのでは決してなく、
『絶対的に自分が納得できるものを出荷すべきだ。』と言うこと。

と言うのも、お酒というのはしぼってから貯蔵をして瓶詰めをして出荷を待ち、
そして最終的にお客様のお手元に届くまでに、酒販店の商品棚に陳列されたり、
居酒屋さんの冷蔵庫に並べられたり…。

しぼった時点から蔵内で過ごす時間も然り、
蔵を出た後に過ごす時間も然り、
全ての時間と場所の経過が酒質に大いに影響を与えます。

理想を突き詰めればきりがなく、
多大な設備投資さえすれば、今現在私が感じている改善点は容易に解決すると思うのです。

はっきり言って、今のうちの蔵ではまだまだ貯蔵に対する課題は山積。
現在の設備の中で最善策を出来るだけ取るようには改善して言ってるけれど、
上を見れば見るほど、理想だけが膨らみ、頭の中はパニックになっていきます。

今日も、うちの営業さんとひと悶着起こしてしまいました。

と言うのも、営業さんはお客様の要望に少しでも応えたい。
でも私としてはその要望を受け入れるわけにはいかない。
なぜなら、酒質の劣化が目に見えているから。

お客様としては、酒質よりも売れることを重視したいのでしょう。
その気持ちもよ〜〜〜〜〜く解ります。
でも、せっかく売れたところで酒質が伴っていなければ、
(いいものを出荷しても、その後に劣化してしまえば)
結局のところ買ってくださったお客様は離れてしまうのです。

お客様本位である以前に酒質本位でありたい。
そうすることで、飲んでくださるお客様に喜んでいただけるのであれば、
それはお客様本位の商売が成り立つのではないかな…と。

嗜好品である以上、好き嫌いは当然あるけれど、
良し悪しはあってはならないと思うのです。

自分自身が造り手であり、売り手である以上、
納得できない酒は決して売りたくないのです。

今現在の設備的な限界や、まだまだこれから努力をしなくてはいけない点について、
今は致し方なく妥協してしまっていることもあるのは事実です。

でも、そう言ったことをひとつひとつしっかりと改善していくことで、
今の数倍自信を持ってお酒を売っていけるのだろうと思います。

言うなれば、『酒造り』とは花形的職業ですが、
それを支え、輝かせるのは『貯蔵』と言う影の立役者です。

この『貯蔵』に失敗することで、酒は台無しになります。

そんな事ばかり考えながら、
空から大金でも降ってくれば大きな冷蔵庫のひとつやふたつ買うのにな〜
なんて、あほなことを考え、堂々巡りを繰り返しております。

まぁ、冷蔵庫だけが全てではないのですが…。

出来ることから少しずつ。
とにかく自分勝手と言われるかもしれませんが、
まずは酒本位で何事も考えていかねばと思うのです。



◇◇◇酒の一滴は血の一滴…デスナ◇◇◇
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  1. 2008/02/25(月) 21:06:46|
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