蔵人尚子の奮闘記

伝統受け継ぐ蔵元の長女として酒造りの世界に飛び込みました。蔵人見習い3年目、旨い酒を醸すべく奮闘中!

2007.11.16(Fri)

アルコールがやってきた。

待ち望んだ醸造アルコールが先日蔵に届きました。

なぜ待ち望んでいたかと言うと…。
以前の日記でアル添について色々書きましたが、

→→→昭和25年(2007年9月17日)
→→→日本酒造りって伝統技術なの???(2007年10月15日)

皆さんのたくさんのご意見を読みながら、
それでも醸造アルコールにしっかり向き合ってみようと考えたのです。
一番向き合うことが出来るのって、移入の時かな〜なんて思って、
今か今かと醸造アルコールがやってくるのを待っていました。
何も考えずに、その液体と対面してみたかったのです。

…というわけで、



こんなタンクを積んだトラックがやってきました。
この中には96%(だったっけ???)の醸造アルコールが入っています。
これを蔵のタンクに移し、蔵では30%にまで加水して貯蔵します。

第一印象…病院の匂いがする…………。

タンクまではホースで繋いでポンプで送るので、
蔵内にそのアルコールが飛び散ることはないのですが、
それでもやっぱり匂いは蔵の中に広がります。

んで、様子を見ようと注がれているタンクの上に登って
中を覗いたのですが、とてもじゃないけど目を開けていられない…。

う〜ん…やっぱりこの液体を丹精込めて醸した醪に混ぜるのは…と、
かなりの躊躇を感じてしまう結果となりました。

もっともっとお酒らしさを感じることのできる液体であればまだしも、
私にとっては薬品であったり工業用品であったり、
とにかく機械的で人工的なものにしか感じませんでした(T_T)

勇気を出して、口にしてみましたが、やはり…。
これは全くの拒絶反応で、素直に向き合えていないのでしょうか。
いや、私としては素直に向き合ったつもりです。

確かに、戦後の暗い日本の中で人々を支えてきた酒はアル添酒であったかもしれません。
と言うより、当然アル添酒であったのでしょうが、
それはアル添酒の過去の栄光であって、
その歴史を未来に伝えてさえくれればいいのかな…と。
(うぅ…こんな書き方をするから角が立ってしまうのでしょうか…。)

あんまりアル添自体を否定することはしたくありませんが、
私個人としてはどうしても受け入れがたいものになってしまっています。
本当に了見を狭くしてしまっているのも良くわかるのですが…。

今回移入されてきた醸造アルコールを感じたことによって、
一生懸命酒を醸そうと頑張ってくれた酵母や麹菌たちに申し訳なくなりました。

酵母や麹菌を利用する代わりに、
私たち造り手はできるだけ快適な環境でのびのびと酒を醸してもらえるよう、
手助けをしてあげることがとっても大切なのだと、
杜氏やお頭からヒシヒシと伝わってきます。
彼らも人間と全く同じなのですよね。
機嫌を損ねさせちゃったらいい仕事はしてくれないんですよね。
だからこそ、頑張って醸してくれた酵母や麹菌たちの気持ちを、
アル添によって無駄にしたくないと言う気持ちがとても強くなりました。


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  1. 2007/11/16(金) 23:22:45|
  2. sake|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:9
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コメント

15代ってお店に有りや?
  1. 2007/11/17(土) 09:15:39 |
  2. URL |
  3. 豊田の和ちゃん #/2CD/BNk
  4. [編集]

<追伸>
24日〜25日の予定で日義村近辺を急襲する予定となりましたので15代を所望だよ
  1. 2007/11/17(土) 17:01:53 |
  2. URL |
  3. 豊田の和ちゃん #/2CD/BNk
  4. [編集]

純米

醸造アルコールの原料見た人は呑む気に成れないと言ってました
純米至上主義では無いんですが
単にコストや原価の為では疑問に思いますね。

  1. 2007/11/17(土) 19:13:42 |
  2. URL |
  3. 蕎麦屋のオヤジ #-
  4. [編集]

あの〜〜

そんなに危機的に思わなくても〜〜

糖類加えたり、味付けや香付けしたりするわけではないんだし〜〜〜


ある意味うす化粧だと思えば

幅が拡がるんじゃ〜〜
(笑)


だってアルコールだけじゃ毒だよ〜
メチルだろうとエチルだろうと
(笑)
  1. 2007/11/17(土) 19:14:19 |
  2. URL |
  3. トキ #a2H6GHBU
  4. [編集]

ほどよい添加

私もぶどう園で農薬をまく時、
同じような気持ちになります。
病害虫予防のためとはいえ、こんなきつい薬をぶどうやほかの生物はどんな気持ちでいるのか?
でもやめるわけにはいきません。

私は純米酒よりバランスのいい
本醸造のはうが、飲みやすくて
すきですよ。お値段もやさしくていいです。
  1. 2007/11/18(日) 18:38:08 |
  2. URL |
  3. budouyaichan #J0678RqY
  4. [編集]

久々のコメント、醸造アルコールがだめと決め付けないほうがいいと思います。蔵元の経営からすると、アル添酒がないと経営が成り立たなくなると思います。蔵、全体の造り70%ぐらいがアル添酒だと思います。これが、蔵の経営を支えているのです。造り手の想いと経営とは反比例するのです。悩ましいことです。
  1. 2007/11/20(火) 16:39:14 |
  2. URL |
  3. はだか祭り #-
  4. [編集]

長編コメントバック

大ショック(T_T)さっき、皆さんに結構なボリュームでコメントのお返事を書いていたのに、送信ボタンを押した途端に全部消えちゃいました(>_<)う〜ん…なんて事……。
まぁ、気を取り直してもう一度書き直すことにします。…というわけで、皆さんいつもコメントを頂きましてありがとうございますm(__)m

≫豊田の和ちゃんさん
今週末は日義に出没されるのですね!!!めっちゃ隣村です。ぜひぜひお時間作って蔵まで遊びに来てください♪と言うのも、十五代九郎右衛門はまだ地元の酒販店さんでは販売していない商品なのです…。もっと東京市場で成熟させてから地元に戻したいな〜なんて思います。まぁ、考えも色々なので、難しいところなのですが(^^ゞ

≫蕎麦屋のオヤジさん
私も純米至上主義というわけではないのですが、どうしてもアル添に対して自分の中で咀嚼しきれていないことが多々あるんですよね。うちの杜氏は完全な純米至上主義です。アル添酒を造りながらも、自分では一切口に入れません。造り手に飲んでもらえないうちのアル添酒は少々かわいそうです(T_T)ただ私と違って長い酒造りの歴史の中でそのような考えに至ったのです。もしかしたら、その杜氏の影響もあってアル添に対してまだまだ咀嚼しきれていないことがおおいのかも知れません。でも私はうちの杜氏が純米至上主義でよかったと心から思います。

≫トキさん
危機感と言うよりは、納得できていないのでしょうね。今うちの蔵で使っている醪の経過表を見ています。未だに『調味液』の使用量を記入する欄が入っています。その欄には『ぶどう等、水あめ、こはく酸、乳酸、くえん酸…』などと言った項目が堂々と書かれています。今でこそ、この欄は全くの空欄ですが、ここにどんな数字が書き込まれていたのかと思うと…。

≫budouyaichanさん
ぶどう栽培や米作りも趣味で自分たちが食べる分だけとしてやっているのなら、多少虫がきて失敗したとしても…という気持ちもあるのかもしれませんが、商売にしていこうと考えると、ある程度安全な策を選択しなくてはならないのでしょう。うちの従業員さんもじぶんで米を作っている人が何人かいます。みんな自分の家庭で食べるのが主だと言うことで、農薬もほとんど使わず、米の乾燥も手間のかかるハザ掛けとしています。みんな口をそろえて言うのは、ハザ掛けをすれば絶対的に米に旨味が出ると…。ただ、商売で米を作っている杜氏は乾燥機を使っています。量も多いので、ハザ掛けをする手間は相当なことだと言います。その辺りはバランスのいいところで、満足のいく物作りをしていかなくてはいけないところなのでしょうか。酒にも通じるところがある気がします。

≫はだか祭りさん
うちの蔵では年々純米酒比率が上がりっています。意図的ではなく、そう言った需要が増えてきたから自然と上がってきたのだと思います。最終的には純米蔵を堂々と名乗れれば…と私は考えていますが、そうする為には乗り越えなくてはならない壁もリスクもたくさんあります。どこの蔵でも柱となっているのは普通酒であって地元消費であると思います。その地元消費が徐々にでも普通酒から純米酒へと変わっていけば、いずれは純米蔵としてやっていけるのかな〜なんて思います。実際に純米酒をお勧めしたら晩酌酒に選んでくださっている地元の方も増えてきました。ただ、今は無理ですね。そんな勇気も覚悟もありません…。今の私は造り手と経営者両方の思いを感じることができます。それが故に結構悩むことも多いのですが、だからこそより良い状態でお酒を出荷していけるんだと感じています。
  1. 2007/11/21(水) 14:25:58 |
  2. URL |
  3. naoko@kisoji #JkPZIk6.
  4. [編集]

オンラインでは初めまして
霜田さんのお店でお会いしたはんこやです
ご自分の気持ちを誤魔化して造っても良いモノは生まれません
納得出来たモノだけを商品とするコトはとても大切な事だと思います
他所(他人)の選択は尊重し自分の選択を追及する
そんな姿勢の酒造りをなさったらいかがでしょうか
  1. 2007/11/21(水) 22:31:39 |
  2. URL |
  3. はんこや #.8F7RpF2
  4. [編集]

≫はんこやさん

ご無沙汰しております。お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。『他所(他人)の選択は尊重し自分の選択を追及する 』素敵な言葉をいただきました。ありがとうございますm(__)mまだまだ自分の選択に対しても、少ない経験故に迷いに迷っている状態かも知れません。そこを今は自分の直感を信じて突っ走っているような…。徐々にですが、余裕のある酒造り人になりたいものです。
  1. 2007/12/02(日) 11:06:36 |
  2. URL |
  3. naoko@kisoji #JkPZIk6.
  4. [編集]

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